ぼんくら解体新書

俺は絶対サブカル男子ではないっ!

うえののホテル つぎの夜へ

 

自称バームクーヘンです。

この物語は事実に基づいています。

場所:上野駅

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この日はある女性とお会いしました。

すずさんとは上野駅で会う2週間ほど前からお話ししていました。

すずさんは悩んでいました。

その悩みは

「あるバンドのマネージャーをしている男性が好きで、関係も持ったが、付き合ってはいない。しかし彼が他の女性と関係を持つのが不安になる」

という内容でした。

 

好きな人とセックスして何故、不幸せになるのか?

 

例えば夫じゃなくても彼氏じゃなくても、人を好きになるという感情は当然芽生えますし、僕は旦那がいても彼氏がいても違う誰かを好きになっても、好きになること自体は全く問題ないと思います。

それよりも問題なのは「相手の気持ちが自分の方向に向いてるか」です。

 

相手の気持ちが自分の方向に向いていないと苦しいにきまってるし、その状態でセックスすれば余計に不安になると思います。

''相手の気持ちが自分に向いている''っていうのは付き合っているとか形式の話ではなく、「理解しようとしてくれているか」ということです。

 

すずさんが彼を好きになったのは同じ音楽「電気グルーヴ」が好きでさらに自分と彼のプライベートな部分で共通性があり、魅力に感じたとのことでした。

でも実際はどうだったのか。

はっきり言うと、バンドマネージャーは人間として面白い部分もあるけど、普通の男でした。

 

彼とすずさんはたまたま好きなものが同じなだけで実はそんなに大したことじゃない。

好きなものが同じで、その好きなものを好きな人が彼以外に殆どなかった場合、「この人は特別だ」と勘違いしてしまいます。

全ては偶然。思い込みやと思います。

重要なのは「好きなものを好きな人」ではなく、「その人自身」

好きなものが同じやと相手のことを自分と似ていると容易に位置付け、理解したつもりになって相手本来の心を理解する作業を怠ってしまうと思います。特に男は。

 

その他にすずさんは「2人で夢見て何処かへいきたい」という願望を持っていました。

夢見ること、期待値を上げることはかなり重要です。

しかし、それは自分と相手の現状を知らないとヤバイことになると思います。何故か。

超現実を求めて2人で走り出しても、所詮ここは現実だからです。超現実を求めて掴んでも一瞬で消えてしまい、当然、現実に引き戻されてしまいます。そのため、彼に失望してしまう。

「2人で夢見て何処かへいきたい」ということは間違えれば「決して掴めないもの・掴んだら失望するもの、つまり不幸せの為に生きてる」ことに繋がるのです。

 

すずさんとはそのような内容のことを話しました。

 

そして相談を受けていて特にバンドマネージャーの男性に感じたことは「誰かの物語化」です。

自分の人生の「物語」なら全く問題ないですが、彼がしていたのはどう考えても憧れのバンドや、アーティスト、漫画の「誰かの物語化」でした。自分を特別視しちゃう感じです。

全く大したことのないこと、自分がサボっていること、ちゃんとしていないことに対して、いちいち意味を見出そうとしている、どっかの漫画や映画、曲で語られたようなドラマをなぞろうとしていました。主人公は既存のものじゃなく、あなたなのに。

彼の場合は電気グルーヴの世界観に成りきり、演じているような感じでした。それが例えば銀杏BOYZの峯田に成り切ったり大森靖子さんに成り切ることでも同じことが言えます。

憧れることは全く問題ないですが、憧れすぎて逆に「あなたもこうありなさい」と、強迫観念になる可能性があるということです。

さらに、「好きなものなのがこれなのであれをしなければ」など、誰かの物語によって自分の日常の選択の幅を狭められるのも問題だと思いました。

 

すずさんの話を聞く限り、彼には元から面白い部分もあり、それは僕もわかりました。

好きな部分があるのは事実で、嫌いな部分もあるのも事実です。

しかし、その上でその人は自分を愛してくれるのか、理解してくれるのかが重要じゃないでしょうか。

 

大事にしてくれる人を大事にすれば良いと思います。

そして、愛してくれない人を好きになるのは何故なのか。

こじらせてても大丈夫です。それはちょっとした相手と自分の気持ちのズレから生じるものです。

あと男はセックスできないから悩んで、逆に女性はセックスしてしまったから悩むように感じます。

 

恋愛は人格が変わるくらいエゲツないものですが、逆に良い方向に劇的に変わるのも恋愛によって、だと思います。

何回かやりとりをして、僕は実際にすずさんと飲むことになりました。

 

冒頭に戻りまして、場所は東京都上野駅

集合し、2人でアメヤ横丁に行きました。

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ある飲み屋にて、2時間後

 

わりと美味しい洒落た飲み屋でご飯を食べていました。

ふと、横を見ると知らないカップルが2人席でイチャついていました。

彼女の顔は火照り、彼氏も酔っているようです。

 

「う〜〜わ〜〜エロ〜〜」

 

それが僕の正直な感想でした。

薄暗いところでほろ酔いカップルがイチャついている。

どエロいです。

その15分後、カップルは店を出ていました。

 

いや、絶対ラブホいくやん!

 

それが僕の正直な感想でした。

 

すずさんも僕もお酒は入っていましたが、まあ普通に会話をしていました。

 

「そろそろ出る?」

 

すずさんが言います。

 

「上野、散歩しよう」

 

僕たちは外に出ました。

上野公園を歩きます。

 

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途中、ヤバイ映画館がありました。

公園を歩き、しばらくベンチに2人で座りました。

23時半頃。

なんか2人で公園にて変な空気になります。

 

(な、なんだこれは!)

 

近くにはビジネスホテルがいくつかありました。

 

しばらく公園のベンチで無言が続きました。

.....

 

すずさん「そういや誰かが言ってたよ。男女2人が一夜を共にしたら絶対にエロいことするって。あっ、その説が本当なのか確かめてみる?実験しよ、!」

 

そしてすずさんがビジネスホテルに電話をかけますが、23時半過ぎ、部屋は空いていません。

とりあえずコンビニでお茶買おうと歩きだします。

ローソンでお茶とお菓子を買いました。 

 

少し歩くと偶然、ホテルがありました。

ラブホテルでした。

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ここに入りました。

2人とも次の日が仕事やったので速攻で風呂に入り、24時半には布団に入っていました。

 

「男女2人で夜を過ごすと本当になにかが起こるのかな?」

すずさんがそう言いました。

 

たしかにいざ部屋暗くして同じベットで寝るとなるとなんかドキドキしてくるのも事実。

ラブホテルなので照明も明るいピンク、淡い青みたいな感じです。

おもちゃこそないものの、雰囲気は完全にその感じ。

 

俺はど、どうすりゃいい??

ラブホのトイレの鏡の前でそう思いました。

ベッドに戻ります。

 

そのとき、時間は夜中の1時過ぎでした。

 

 

そして寝たのは3時ごろでした。

 

 

 

 

そして次の日、6時半ごろにラブホを出ます。

朝方の上野。

「今日はありがとう、いろんな話も聞いてもらったし良い経験できた!」

すずさんはそう言い、大きな交差点で僕とすずさんはお別れしました。

 

 

[早朝の上野です。]
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*この記事は当事者である、すずさんの許可を取っております。というか、僕がブログやっていることを知っていたので、この出来事を書いて欲しいとの依頼がありました。

そして以下はすずさんの感想です。

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後日談

 

すずさんは凄く悩んでいた頃とは変わり、その後、バンドマネージャーに関係性の別れを告げたそうです。

 

僕はただ話を聞いてちょっと思ったことを伝えただけですが、何かできたのでしょうか。

少しでも相談してくれた人に対して、良い影響を与えれたらなと思います。。

 

 

おわり

 

 

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