こんばんは自称バームクーヘンです。
昨日、7月14日に放送された『霜降り明星粗品が今一番やりたい企画 粗品TV』を見て、感銘を受けました。
まだ見ていない方は是非、TVerの配信期間中に見てみてください
こりゃあバラエティ史に残る番組やと思いますよ。
『粗品TV』はなんの前情報も入れずに見たほうが面白いと思います。
さてさて、『粗品TV』の前に、霜降り明星について色々と書きたいと思います。
今や誰もが知る芸人ですが一番のきっかけは2018年のM-1グランプリ優勝、でしょう。
僕はM-1が大好きなので毎年予選の段階からわりと調べたりしてます。
そんな中でも霜降り明星は2018年M-1以前までは「いつかは優勝するけれど今年は和牛、スーパーマラドーナ、かまいたちじゃないか」というような意見が多かったように思います。
しかしながら本番、なんだか今までとは違うようなM-1の雰囲気にどのコンビも苦戦します。
迎えた9組目。
霜降り明星の出番では頭から最後まで全部のボケが爆笑。
そのままファイナルステージでも圧巻の漫才を見せ、優勝に至りました。
1ネタ目の「豪華客船」はライブでかけまくり、ボケも変えていってウケるボケをM-1のネタ用にストックしていったようです。物凄い志!
そして、おおよそ3ヶ月後、R-1グランプリで粗品は優勝しました。
R-1グランプリでは票が同点となった場合のルールで勝ち上がります。
このあたりも、粗品は運も手に入れたように感じました。
まるで芸人という世界の大きな流れでなるべくして勝ち進んでいくような雰囲気。
勿論、実力ですがそういう芸人パワーも霜降り明星はもってると思います。
以前、浅草キッドの水道橋博士がキン肉マンでいうところの超人パワーを芸人にも例えていまして、舞台に立った瞬間、その人を始めて見た瞬間からその人の笑いのイズムに引き込む力はそれぞれ芸人にもあるというような話をしていました。
日常生活でも例えば電車の中で聞こえてくる他人の笑い話が全然笑えないけれど、その人たちは爆笑してるってことはありますよね?
あれも一種の芸人パワーがあるかどうかやと思います。
その人の情報を何も知らないでその人が語る話が笑えるか、
水道橋博士はダウンタウンの2人は芸人パワーが圧倒的にあると語っていました。
僕は霜降り明星の2人も芸人パワーが凄くあると思います。
M-1グランプリ2018ではまだまだ無名だったコンビが爆笑を取る。その姿は本当にかっこよかったです。
遡るは2012年年末、関西ではお馴染みの年末深夜特番『オールザッツ漫才』にて、粗品は19歳で出場し、優勝します。
これは本当にすごいことで、当時も見ていましたが衝撃でした。歴代優勝者はケンドーコバヤシ、笑い飯、友近、とろサーモンなとです。
出場者も芸歴が長いコンビやピン芸人が殆どの中で19歳の青年が優勝してしまうんですから。
パジャマ姿で出場していたのが懐かしいです。
R-1グランプリでもパジャマ姿でしたね。
芸人×パジャマというと松っちゃんも連想しちゃいますね。
はい、話は戻りまして、かつて粗品はR-1グランプリについて初出場から準決勝止まりが多く、全然決勝に行けない、優勝できない、そのような世界をまるでループしているかのようと語っておりました。
どうやったらR-1優勝というゴールにたどり着き、このループする世界から抜け出せるのか、それくらい粗品はR-1グランプリに人生という物語をかけていたのだと推測できます。
ループから抜け出せない感覚。
M-1優勝しても、まだR-1がある。
そして、今年、R-1グランプリで優勝しました。
が、
その後、霜降り明星のラジオで粗品は歓喜し裏話も聞けるのかと思いきや番組冒頭から暗い感じで始まりまして、相方せいやも戸惑いを隠し切れませんでした。
不完全燃焼という言葉でも、表されないような粗品の鬱々とした哀しい声。
さすがにせいやも「どうしてん、話聞くぞ」と言います。
ループから抜け出そうとして、優勝したものの、もしかしたら抜け出せていないのか、なんなのか、そのときの粗品からは虚無感を感じました。
まるで空っぽになったかのような。
その状態はすぐに回復し、テレビでは殆どそのような感じは見受けられませんでした。
〜霜降り明星粗品が今一番やりたい企画 粗品TV〜
R-1グランプリからおおよそ4ヶ月後、粗品が企画した特番が放送されました。
この番組はR-1優勝記念に粗品に1時間好きなことしてもらうという趣旨です。
⚠︎ここからは番組のネタバレを含みます⚠︎
事前に告知された内容は粗品がツッコミまくる企画。
録画で見ようと思いましたが、時間帯的にリアルタイムで見れたので見始めました。
番組が始まります。
ん???
なんだかうっすらと白ーく感じる画面。
ゲームで使われるようなBGMが流れ、ナレーションは最上もが、が担当します。
そして番組は進行
アナウンサーの方と粗品が商店街をぶらつき、粗品がロケ中に50音("を"なし)全ての頭文字でツッコミを目指すというものです。
コロッケ屋さん、魚屋さんと周り、ツッコミまくります。
魚屋さんでは残り1つだというイクラを購入します。
その後、主婦の方と出会い、「今日の晩御飯が海鮮丼」ということで、ロケで周った魚屋さんを粗品は進めます。
次に、音楽教室に行きここでもツッコミ炸裂。
次は靴屋さんです。
ここで、cm
整骨院ではなんだか不気味な有線が流れています。
粗品はすかさず、
「おい!ハリーポッターの森の中のBGMか」とツッコミます。
そして、粗品は施術を体験することに。
仰向けになり、粗品の顔にタオルがそっと、置かれます。
そのつぎのシーン、
何故か冒頭とまったく同じ映像が流れ出します。
見ている最中、なんだこれは!?てなりました。
粗品もアナウンサーも、ナレーションでも誰も説明しない、ただただ流れる一回見たロケの映像。
コロッケ屋、魚屋、主婦との会話、音楽教室と周りますが、ただひとつ違うことは粗品のツッコミワードが変わってることでした。
そして、靴屋さん前にcm
なんと一回目とcmのタイミングまで一緒。
また粗品は施術体験を行いますが、、
タオルを顔に置かれる瞬間に粗品がぼそっと
「なんかどっかで見たことあるなあ」と言います。
そして、またまた流れだす冒頭から一緒の映像。
しかし、粗品だけが違和感を感じ、「前にやりました?」とアナウンサーの方に聞きます。
しかし、それを否定するアナウンサー。
コロッケ屋、魚屋、主婦との会話、音楽教室、cm、靴屋、と流れはまたまた同じ、ツッコミは1回目、2回目とも違うワードです。
「ループしてる...」
粗品はこのロケの世界をループしていることに気付きました。
4回目、粗品は慌ててどうしたらいいか戸惑います。
アナウンサーにループしていることを伝えても否定されるのみ。
またまた番組は止まらず進行していきます。
粗品「どうやったら抜けれるねん」とぼそっと言います。
まさかのループもの!!、!
ツッコミワードは変わってるものの、行き先も出会う人もcmのタイミングもまったく同じ。
度々、アナウンサーにループしている旨を伝える粗品。
整骨院でまたまたまた施術体験しますが、ある法則を見つける粗品。
「ループ、抜けれるかもしれん...」
再び冒頭のシーンに戻ります。
法則を見つけた粗品は意気揚々にツッコミまくります。
コロッケ屋、魚屋に行ったあとで出会う主婦の方の晩御飯が海鮮丼と知っている粗品は魚屋さんでこれまでとは違う商品を選びます。
これまでは残り1つだったイクラから、横にあるマグロを選んでいました。
「むりやり」、イクラからマグロに変え、これまでとは違う世界線にしてみる粗品。
粗品が主婦に一番好きな海鮮丼の具材を聞くと、主婦は「イクラです」と答えます。
整骨院にて、タオルをかける瞬間に一言、
「連続している!」と粗品がツッコんだ瞬間、
これまでのツッコミワードの頭文字が50音表に当てられ、全てのワードにハメこまれます。
起きた瞬間、ロケを中断し、
アナウンサーから疑問を持たれると、
「むりやり すべての もじ を つかえ」って言われたから...と答えます。
アナウンサーは「誰に言われたんですか?」て聞くと
少し考えた答える粗品
「自分に」
ここで番組は終了となります。
視聴者、唖然ですよ。
同じロケをループしている世界にこちらも引き込まれている訳ですから、粗品に抜け出してもらうしかないわけです。
ループするロケで、cmのタイミングも全く一緒。凄い世界観ですよ。
テレビでここまで遊べることを証明した粗品。すごい。
しかも、ロケに出演していた谷元アナウンサーのツイッターもリアルタイムでツイートがループしているこだわり!!
さらにさらに、谷元アナウンサーのブログ
この文章を縦から読むと「な が い く り か え し」と読める。
こだわりがエグい!
さらに、ロケ道中の音楽教室で演奏される曲「ねこふんじゃった」や「小さな黒人」も曲として同じメロディ、同じフレーズの''繰り返し''の曲なんですよ。
細部まで手の込んだ演出!
なんなんだ一体!!
粗品が今一番やりたい企画はループものやった訳ですが、この番組はR-1優勝記念という意味合いがありやはり、粗品のR-1グランプリの呪縛に対するアンサーだったのではないでしょうか。
優勝に加えて''自分に''対してもアンサーを突き付ける。凄い。
R-1グランプリに何年も挑むも、優勝できずループしている感覚に陥っていた粗品、そして優勝した後も虚無感が残っていた粗品。
それをこの1時間の特番を使って、ループした世界線をループした世界感で飲み込んでしまうという。
粗品、凄いよ。
自分で自分を壊して作り変えるような、破壊的創造。
かなり面白いですね。
番組終了後に、ゴッドタンのプロデューサーや水曜日のダウンタウン総合演出の藤井健太郎さんから関心のツイートを拝見できたのも良かったです。
やっぱり面白いものは面白いなあ
おわり。
「夢って、なんか変ですよね...」