ザ・クロマニヨンズの1stアルバムと映画『草原の輝き』について昔から思ってることがあったので書きます。
まず、アルバム『ザ・クロマニヨンズ』はクロマニヨンズが2006年に発売した1stアルバムです。
収録曲は
1.キラービー
2.エレキギター
3.連結器よ永遠に
4.グレート
5.やわらかい
6.あさくらさんしょ
7.草原の輝き
8.歩くチブ
9.くじらなわ
10.夢のロッケンロールドリーム
11.くま
12.タリホー
13.まーまーま
14.土星にやさしく
です。
僕はブルーハーツ→ハイロウズ→クロマニヨンズという順番で聴いていったんですけど、この1stを聴いたときは中3くらいの頃で、正直、なんじゃこれは!?て感じでした
でもねー、めちゃくちゃ良いんですよね、このアルバム
クロマニヨンズの曲は、曲の中で物語があるとかじゃなくて、それを飛び越えてると思うんですよ、もはや1フレーズで突き抜けてくる感じ。音も歌詞も無駄がなくて、いや、無駄があることも、無駄の無いうちになっていて、凄いんですよ。
それも、ブルーハーツ、ハイロウズで蓄えてきたガソリンを糧にぶっ飛ばしてる感じ。
ヒロトもマーシーも言うたら、ブルーハーツやハイロウズのような曲はまだ作れるはずです。でも、それをやらずにそれを壊していってるんですよ
すげえなあ
ほんでね、話戻って1stの収録曲には『草原の輝き』てのがあって、このタイトルは映画『草原の輝き』から取ってると思います。
映画『草原の輝き』とは1961年にアメリカで公開された青春映画です。
監督はエリア・カザン、ちなみにこの人の作品には『欲望という名の電車』があります。はい、これはザ・ハイロウズ『ハスキー(欲望という名の戦車)』の元ネタですね。
そして『草原の輝き』の主役はウォーレン・ベイティとナタリー・ウッドです。
先に言うとくと映画の結末とかじゃなくて、ナタリー・ウッドさん、もう亡くなってはるんですけど原因が水死とされてるんですよ。めちゃ大スターの彼女は様々な映画に出演して魅了して、最期は水死なんですよ。なんの因果でしょうかねえ
ほんで『草原の輝き』の彼氏役の俳優、ウォーレン・ベイティは『草原の輝き』から大ヒット俳優になったんですけど、その中でも彼が出演をした映画で有名なのは『俺たちに明日はない』です
この映画もザ・ハイロウズ『俺たちに明日はない』の元ネタですね
映画も曲も『俺たちに明日はない』めちゃめちゃ好きやわ〜〜。
曲の『俺たちに明日はない』の歌詞の「紅茶飲みながら吹き替え版の映画」ていうテンポも言葉のセンスも凄い良いし、映画愛がめちゃ伝わってきます
ブルーハーツの頃から名前なりなんなりを曲で表現したりして甲本ヒロトさん、真島昌利さんの映画愛を感じますねえ。
映画『草原の輝き』は高校生カップルの話なんですけど、もうめちゃめちゃラブラブなんですよ、バカップル全開なんですけど、彼女側の母さんは偏った考えでそれに抑圧されて彼女は彼氏に性を解放できないんですよ、いうたらキスまでなんです。
彼氏はそのへんすげえもがいて、愛してるしそれ以上もしたいと、結婚もしたいって感じなんですけど、彼氏は彼氏で父親にやたら干渉されて将来はこうしろとか言われて、お互い悩みまくってるんですね
そんな日常の中で2人は寄り添ってやってくんですけど、まあ色んな問題が出てきましてね、さっきの、キスまでってのもそうですし、映画の時代設定は1930年前後なんですけど1929年には世界大恐慌もあって、アメリカの話ですから、そのへんもめちゃくちゃになっていくんですよ、ほんでね、わりと中盤からはまあまあえげつない展開になっていくんですよ
大人はドロドロやし、若者のこと考えてない利己的で、周りのやつらも私利私欲に溢れててね、そんな環境が2人を取り巻くんですよ。
普通にやりたいことができない環境であがいて、何も上手くいかないこともあって、心も廃れてきてってね、そんな中でもわずかな光とか、希望を見つけて2人は自分自身を成長させていくんです。
この映画、僕は好きですねえ。純愛映画ですし、なんせリアルなんですよ、しかもただラブラブして終わりとか愛は強い〜〜とか、あの日は良かったなあみたいな感じで終わるんじゃなくて、2人が人間的に凄く成長したんがわかるんです。お互いがお互いを認めて、相互に影響し合って思考が育まれてるんですよ、そこがめちゃくちゃ良い。体験的な恋愛感覚はその人にとってただの経験とか思い出で終わってないんです。
(草原の輝きの2人)
僕が『草原の輝き』の中で特に好きなのが映画の中である詩、ある詩が出てくるとこなんですけど、その詩ってのはこれです
「草原の輝き 花の栄光
再びそれは還らずとも
なげくなかれ
その奥に秘められたる力を見い出すべし」
です。
甲本ヒロトさんと真島昌利さんはブルーハーツを壊してハイロウズになり、ハイロウズを壊してクロマニヨンズをやってきましたけど、全然振り返ったりしてませんよね、2人とも。
それはもう、その日々は戻らないからで、逆に破壊して再生してるんです、それも過去を糧に。
過去の自分のスネをかじったりも全然してないんですよ
詩の「その奥に秘められた力を見い出すべし」これはまさに2人の生き方に繋がるなって思いますし、そんな詩が使われた映画のタイトルをザ・クロマニヨンズの1stの収録曲に持ってきたってのが面白いんですよ
めちゃめちゃかっこええわ〜〜。
アルバム、ザ・クロマニヨンズを製作して発表する、普通の人ならプレッシャー半端やないと思うんですよ、あのブルーハーツ、あのハイロウズのって世間はなるわけですから、でもそんなん関係無いんですよね、1stの1番最初の曲、キラービーですよ、ブンブンブンブンいうてるんですよ、ほんで「お前のピンチをいつでも救いに行くんだキラービー」ですからね。次元が違いますよね、かっこよすぎ
なんでそんなかっこよく面白いことできるの?
あと、くまとか土星にやさしくとか、なんでそんな面白いのー!!かっこいいし!!
あさくらさんしょも良いですねえ
あさくらさんしょは歌詞で「1人汗かき」からの最後に「1人喜び」ってもってくるあたりが最高。センス。
全曲言うてたら字数、タウンワークくらいになるんで、あれですけど、も〜あのアルバムええわあ。
ほんで、なんや言うてもタリホーね、この曲、この曲こそブルーハーツ、ハイロウズでロックンロールしてきたからこそできる歌詞の意味と深さ。
僕はアルバム、ザ・クロマニヨンズは''水''がキーワードやと思ってて、タリホーはまさにそうで、水は液体、気体、固体と変化して世界を漂ってますよね
「形は変わる自分のままで あのとき僕はああだった」なんですよ
もう歌詞全体が''水''の変化と自分自身の変化を歌ってて最高なんです
ほんで「氷もほっときゃ流れるぜ」なんです
一体なに!?完成度!
泣くとかの歌詞の表現は歌手によってしつこかったり感じるんですけど、タリホーの「涙の記憶 消えたりしない 漂っている赤道か」ってのは圧巻過ぎてもう、言葉がでないですね。涙と過去の記憶と、水の同じものでも形が気体、液体、固体と変化することを繋げて歌詞にしててもう、はあ、すげえよヒロトさん。
タリホーの、ワンフレーズ、ワンフレーズのインパクトは凄いんですよ、それをブルーハーツ、ハイロウズとやってきた人たちが歌うからすげえ!!
映画『草原の輝き』の詩
「草原の輝き 花の栄光
再びそれは還らずとも
なげくなかれ
その奥に秘められたる力を見い出すべし」
この詩なんかとっくに忘れててたまたまなんやそんな映画あったな〜〜て思い出して、なんとなく曲のタイトルにした可能性もあります、意識して選んだのも面白いですけど、無意識にそんな詩がある映画のタイトルの曲を作り、収録したとしても面白い。
どっちにしても僕はこの詩は凄くザ・クロマニヨンズ自体や、甲本ヒロトさん、真島昌利さんの生き方にあってるよなあって思います。
それからほぼ1年に1回アルバム出してシングル出してライブで全国まわってってして、ほんでそれを我々は見てって、贅沢な時間楽しませてもらってますねえ。
アルバムもザ・クロマニヨンズの曲ってのはわかりますけど新しいこともどんどんしてて、ほんとに凄いなって思います。
まさかライブでみんなで「パンチラ〜〜!」(中1とか中2)て歌うなんて思ってなかったですしね
ペテン師ロックではペテン師なんだと歌いますけど聴いてる側からしたらどう考えても本物が嘘つきだって歌うからかっこいい
ザ・クロマニヨンズの曲は楽しくてかっこよくてかわいくもあって尖ってて、あ、映画愛もあってって言い出したら止まらないんでね、はい、
もうね、そこに全部あるんですよね
ちょっと記事の題名から遠のいてきたんで戻しますね
映画『草原の輝き』は古い映画ですけど面白いですし、ザ・クロマニヨンズ聴く人も聴かない人も楽しめると思います、淡い青春恋愛映画って感じですかね、ペースてきにゆったりと、でも様々な出来事が起こってって感じです。TSUTAYAにあるかな〜〜。
あったらいいなあ。
まーまーま
最後までありがとうございました。